お役立ちコラム
自動火災報知設備とは?点検周期や点検内容も解説
火災などを知らせてくれる自動火災報知設備ですが、もしものときにちゃんと作動してくれるように、定期的な点検が必要です。
では自動火災報知設備の点検とは何をするのでしょうか?
本記事では自動火災報知設備の点検周期や内容について紹介します。
マンションなどのオーナーや自宅に自動火災報知設備がある方必見です。
目次
自動火災報知設備とは?
そもそも自動火災報知設備とは、火事を見つけたらすぐに自動でさまざまな防火対策を行ってくれるものです。
どの程度の設備なのかによっても多少変わりますが、火事を見つけた際には以下の3つの動作を行います。
● 警報ベルを鳴らし火事を知らせる
● 防火防煙シャッターを閉めて火と煙を広げない
● 防火戸をしめて火を広げない
これらを自動で行ってくれる、火事を感知する感知器と感知器の発信を受診する受信機のすべてを総称して「自動火災報知設備」と呼んでいます。
自動火災報知設備の種類
自動火災報知設備はさまざまな方法で火事を見つけます。
自動火災報知設備は大きく4種類に分かれ、火事の感知方法が違う3種類と3種類の火事感知方法のうち2つの性質をもった自動火災報知設備があります。
それぞれ感知するものが違うので、何を感知して火事を発見するのかは知っておいてください。
「熱」で火事を見つける熱感知器
まずは火事が発生したら生まれる「熱」を見つける熱感知器です。
熱感知器は主に天井に取り付けられています。
● 一箇所の温度が一定以上になった際に作動する「定温式」
● 温度の上昇率が一定以上になった際に作動する「作動式」
熱感知器には大きく上記2つの感知方法があります。
「煙」で火事を見つける熱煙感知器
火事の際に発生する「煙」を見つける熱煙感知器です。
まわりの空気に一定以上の煙を含んだ際に作動します。
● 感知器に煙が入った際に作動する「スポット型」
● 光のビームが煙に妨げられた際に作動する「分離型」
熱煙感知器には大きく上記の2つの感知方法があります。
「赤外線」や「紫外線」で火事を見つける炎感知器
火事の際に発生する「赤外線」や「紫外線」を見つける炎感知器です。
炎には私達が見えている光以外にも、赤外線や紫外線も発しおり、その赤外線や紫外線量が一定以上になった際に作動します。
● 赤外線式
● 紫外線式
● 紫外線赤外線併用式
炎感知器には上記の3つの感知方法があります。
2つの性能をもつ複合式感知器
複合式感知器とは、これまでに紹介した中で2つの性能を併せ持っている感知器です。
● 熱複合式
● 熱煙複合式
● 煙複合式
● 炎複合式
種類としては主に上記の4つがあります。
点検周期と点検内容
火事を知らせてくれる自動火災報知設備ですが、日常生活で作動するものではありません。
そのため、気がつくと壊れていてせっかく設置していても、もしものときに作動してくれなければ設置している意味がありません。
そのため、定期的な点検は必要不可欠であり、消防法17条で規定されています。
必ず行うようにしてください。
また、点検を行った結果を消防機関に報告する必要もあります。
特定防火対象物であれば1年に1回、非特定防火対象物であれば3年に1回です。
特定防火対象物に含まれるのは以下に該当する建物です。
● 劇場
● 飲食店
● 百貨店
● ホテル
● 病院など
これらの不特定多数の大勢の方が出入りしている建物になります。
非特定防火対象物に含まれるのは以下に該当する建物です。
● マンションなどの共同住宅
● 学校
● 図書館
● 神社や寺院
● 工場
● 文化財など
それでは、点検を行う周期と点検内容について紹介していきます。
6ヶ月に1回の機器点検
6ヶ月に1回は機器点検を行ってください。
機器点検では以下の点を確認します。
● 変形・損傷・腐敗していないか
● 受信機と感知器の邪魔になるものがないか
● 感知器が感知できていない場所がないか
基本的には外観からの判断と簡単な操作での判断になります。
このときに何か異変や問題があれば、できるだけ早く新しいものに取り替えるなどの対処を行ってください。
1年に1回の総合点検
1年に1回は自動火災報知設備のすべてか一部を実際に作動させて、問題なく動くのか、検知してくれるのかを点検します。
● 火事を見つけ次第非常ベルを鳴らすなど連動ができているか
● 正しい感度で火事を見つけられるか
● 非常ベルの音の大きさが規定値以上か
● 非常用電源に切り替えた際にも問題なく作動するのか
総合点検は機器点検とは違い、より実際の火事の状態に近づけ、きちんと全体が作動するかどうかを確認します。
こちらも点検で何か問題があれば、できるだけはやく新しいものへと取り替えるなどの対処を行ってください。
まとめ
本記事では自動火災報知設備の点検周期や点検内容について紹介しました。
もしものときに私達の命を守ってくれる大切なものです。
使う機会がない方がいいのですが、もしものときにきちんと問題なく作動してくれるように、日々の点検は欠かさないようにしてください。
また、もし以上があった際には「また今度」ではなく、できるだけ早く正しく火事を感知してくれる状態にしなければいけません。