お役立ちコラム
火災感知器の役割とは?火災感知器の種類や設置場所、メンテナンスなどについてわかりやすく解説!
私たちの命を火災から守ってくれる役割を果たしているのが火災感知器です。
火災感知器は大きく分けて3タイプあり、それぞれ感知するものが異なります。
今回は火災感知器の役割や種類、設置すべき場所と設置してはいけない場所、火災感知器の取り付け方法やメンテナンスについて解説します。
目次
火災感知器とは
火災感知器とは、文字通り火災を感知し住民や施設の利用者に知らせる設備のことです。
ここでは火災感知器の役割や住宅用火災感知器(警報機)の設置義務について解説します。
火災感知器の役割
火災感知器の役割は住宅に住んでいる人や施設・設備を利用している人にいち早く火災を知らせることです。
火災は目に見える場所で発生するとは限りません。
万が一、火災が発生した時に住民に知らせる手段が必要です。
火災感知器があれば、住民や施設の利用者は速やかに避難することができ、大切な命を守ることができます。
住宅用火災感知器の設置は義務
2004年、消防法が改正され戸建を含めた全ての住宅で住宅用火災警報器(火災報知器・火災感知器)の設置が義務付けられました。
2006年から義務化がスタートし、2011年6月までに全ての住宅で設置が義務化され現在に至っています。
義務化された理由は、火災が発生した際の死因の46.9%が逃げ遅れだったからです。
逃げ遅れた理由は以下のとおりです。
避難していたものの間に合わなかった | 約33.9% |
火災の発見が遅れすでに逃げ道がなかった | 約33.7% |
逃げる体力や判断力を失っていた | 約15.6% |
逃げられた可能性が高いが逃げる機会を失った | 約12.5% |
逃げるいとまがなかった | 約4.2% |
令和3年度版消防白書のデータより作成
こうした状況を踏まえ、住宅用火災警報器の設置義務化が実施されたのです。
火災感知器の3つの種類
火災感知器には大きく分けて3つの種類があります。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
熱感知器
火災による周辺温度の上昇から火災の発生を感知するタイプです。
熱感知器には差動式スポット型感知器と定温式スポット型感知器があります。
差動式は温度上昇に従って感知器内の空気が膨張して温度上昇を感知し、定温式は感知器の周辺温度から火災の発生を感知します。
どちらのタイプも火災ではない緩やかな温度上昇の場合は感知しません。
煙感知器
火災の初期に発生する煙や目に見えない燃焼生成物を感知するタイプです。
煙感知器には光電式スポット型感知器と光電式分離型感知器の2種類があります。
火災が発生すると熱よりも先に煙が発生します。
火災で亡くなる人の多くは、火災の熱よりも煙に巻かれて呼吸困難になり逃げ遅れて亡くなっています。
煙の発生を早めに感知できれば、火災で亡くなる確率を下げることができます。
消防法では火災発生時の危険度が高い場所(寝室や階段)には煙感知器を設置しなければならないと定めています。
炎感知器
炎の発生そのものを感知するのが炎感知器です。
炎に含まれる紫外線や赤外線に反応して作動するタイプで、体育館や美術館、劇場などのように天井が高い建物に設置されています。
設置すべき場所
火災感知器は、寝室と寝室がある階の階段上部に設置しなければなりません。
二階建ての住宅で寝室が1階と2階にある場合は、1階と2階の寝室及び2階に通じる階段に火災感知器を設置しなければなりません。
寝室や階段に設置するべき理由は逃げ遅れを防ぐためです。
就寝中に火災が発生する件数は日中の3分の1程度とされていますが、亡くなる確率は深夜の方が高くなります。
就寝中であっても火災に気づけるよう、寝室に火災感知器を付けなければなりません。
また、煙は下から上に登っていくため、上階に煙が充満する前に警報を鳴らして避難を促す必要があるのです。
感知器を設置する位置と取付方法
住宅用火災感知器は消防法で取り付け位置が決められています。
壁に取り付ける場合、警報機の中心が天井から15〜50cm以内に入るように取り付けます。
天井の場合は壁や梁から60cm以上離さなければなりません。
設置してはいけない場所
火災報知機を設置してはいけない場所はあるのでしょうか。
以下の場所には火災報知機を設置しないようにしましょう。
・エアコンの近く
・照明器具の近く
・ガスレンジの近く
・電波を発する機器の近く
・温度が0℃を下回ったり、40℃を超える場所
正常に作動しない可能性があるため、上記の場所に設置するのは避けましょう。
定期点検や確認
火災感知器が役割を果たすには、常日頃のメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスの際は感知器の電源を切り、掃除機でほこりを吸い取ってください。
火災感知器自体が汚れている場合は、中性洗剤を溶かした水を含ませた布を十分に絞ってから使い、汚れをふき取ってください。
まとめ
今回は火災感知器の役割や設置場所、設置を避けたほうが良い場所などについて解説しました。
火災感知器は住民の命を守る大切な機器です。
火災が発生しないのが一番ですが、万が一火災感知器が作動した際は、とにかく自分の命を最優先に考え、速やかに非難しましょう。